ホロスコープの春分図は、「春分」の瞬間のホロスコープを取り出し、そこから1年間の運気を読み取っていこうというものです。
西洋占星術を勉強されている方は、「春分図」を自由に読んでいくことで、ホロスコープへの理解が深まっていきます。
1年をかけて扱う図でもありますので、ぜひ1枚、用意されるとよいですね。
それでは、2020年の春分図を例に出し、様々な角度から、今年1年の運気を推察していきましょう。
春分図とは
春分図は、「春分」の瞬間のホロスコープです。
「春分」は、二十四節気の「啓蟄」の次に来るもの。
春分(しゅんぶん、英: vernal equinox)は、二十四節気の第4。よく昼の長さと夜の長さがほぼ等しくなるとされるが、実際には昼の方が14分ほど長い(日本の場合。後述。)。二月中(旧暦2月内)。
現在広まっている定気法では、太陽が春分点を通過した瞬間、すなわち太陽黄経が0度となったときで、天文学ではその瞬間であるが、暦ではその瞬間が属する日であり、これを春分日(しゅんぶんび)と呼ぶ。したがって、いずれの日が春分日になるかはその国・地域の時差によって1日の違いが出る。日本では3月20日または3月21日になることが多い。
恒気法では冬至から1/4年(約91.31日)後で3月23日ごろ。
期間としての意味もあり、この日から、次の節気の清明前日までである。
西洋占星術では春分を白羊宮(おひつじ座)の始まりとする。
「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉があるように、立春、啓蟄よりも、より「季節」を感じやすい日とも言えます。
太陽の黄経も、赤緯も「0」になる瞬間。太陽が真東から真西へ移動する日。
そして、西洋占星術の12星座、白羊宮(おひつじ座)の始まり。
よく「星座は本当はズレている」「本当の牡羊座ではない」という論争が起こりがち。
この辺りを過敏に考える方も多く、地雷案件(笑)なのですが、ルルラブア先生の「占星学」では、「白羊宮」という呼び方。
古い西洋占星術の本の中でも、呼び方が「白羊宮」となっているものが多いです。
「空の星座は、実際はズレているんだよ」という点だけわかっていれば、西洋占星術的にはOKです。
ジェミニ
夜空の星座とずれているとはいえ、太陽が0度、つまりリセットされることは同じです。
「1年の始まりの瞬間が、どんなホロスコープなのか」と知ることは、ホラリー占星術とつながるものがあります。
ジェミニ
よく、その年の収穫を占う・・という目的で、各地で行事が行われることがあります。(粥占祭(よねうらさい)、管粥祭(くだがゆさい)など。)感覚としては、それらと一緒と考えていくとよいですね。
2020年の春分図の出し方
2020年の春分図のホロスコープです。
ホロスコープは、お使いのソフトやサイトで出せます。
スターゲイザーですと、「春分図」の指定で出せます。このサイトは掲載伺いをしていないため、画像は
で作成した、ホロスコープの画像を使います。
日本のニュースは東京から発信されていきますし、政治の決めごとも東京から。
という理由から、場所は「東京」に設定しました。
ジェミニ
私の場合、ASC、MCも表示できる、「プラシーダス」を採用します。
これも、占う人の「感覚・ポリシー」つまり、「信じたもの、決めたもの」で採用されてください。
2020年春分図の特徴
春分図は、「惑星・軸の位置」「偏り」「アスペクト」なども重視します。
2020年、春分図の主な特徴はこちらです。
- 偏り・・・上寄り、右寄り
- 太陽・・・9ハウス
- 月・・・7ハウス
- 太陽×ノードスクエア
- 月×金星スクエア
- 冥王星×火星、木星、土星コンジャンクション
- 火星×木星、土星、冥王星コンジャンクション
- 土星×天王星スクエア
- ASC×火星、木星、土星、冥王星オポジション
- ボイドなし
- 太陽/月のミッドポイント・・・柔軟宮6度
配置パターンとしては、
山羊座に冥王星、木星、火星、土星のコンジャンクション
これらの、ASCが、「対極」オポジションを取る形となり、「バケット型」に近い形になります。
バケット型とは、1つの感受点以外のものが、集中していること。集中している惑星たちが強調していることに対して、対極にある感受点のありようが、物事を左右させる。すべてをひっくり返したり、引き金になったりもする。
右半分に8つの感受点が入りますので、ほぼ「バケット型」と見てよいでしょう。
ジェミニ
2020年の春分図から見える世相
それでは、いよいよ、2020年の春分図から見える「世相」を探っていきましょう。
念を押しますが、春分図の読み解きは、ホロスコープの基本的な知識に加え、読む人の価値観も影響します。
読み手がポジティブ思考か、ネガティブ思考か、感覚的か論理的か。
もっと言えば、読み手の育ってきた環境も影響します。
その中で「春分図」読みは、世間のニュースにも敏感になり、よりグローバルな視点、そしてニュートラルな感覚を持つことが、より多くの人になじむ「読み」につながっていきます。
ジェミニ
火星とトランスサタニアンが形成する、山羊座のコンジャンクション
今回の春分図で一番の特徴といえば、「火星とトランスサタニアンが形成する、山羊座のコンジャンクション」です。
火星はかろうじて「個人天体」に入りますが、土星以遠は、個人の影響よりも大きな「世の中の雰囲気」に影響を与えます。
- 木星・・・発展・拡大
- 土星・・・自制、制限、課題
- 冥王星・・・破壊、リセット、再生
火星はこれらに「エネルギー」を与えます。
ガソリンを注入する状態ですので、特に、木星や冥王星にとっては、その力を多分に発揮することになります。
山羊座は「政治的なジャンル」を指しますので、経営者、統率者など「リーダー」となるものの力量によって、そのリーダーを取り巻く人たちの生活に大きな影響を与えます。
リーダーの力は増すものの、大衆意識も強まり、リーダーの適性によっては、その場からの退場もあり得ます。
大きな会社であっても、例外ではなく、突然表舞台から退場という可能性も。
人々にとっては、基盤の大きく揺らいでいくし、信じていたフィールドが無くなることもある。決して楽観視できない世相となっていくでしょう。
ジェミニ
ASCが握る、「個性、アイデンティティ」
これらの火星・木星・土星・冥王星の対極にあるのが、ASCです。
この場合は「国としてのアイデンティティ」としてとらえます。
ASCは蟹座。
「ホームベースを守りたい」という、日本人としての意識が、この困難に立ち向かう肝となります。
多くの世界に深刻な影響を与えているこの状況で、国として求められているのが「自分はどの立ち位置か、ポリシーを取るか」ということです。
状況に飲み込まれていくか否かは、自分を強く持つか否か。
おそらく、オリンピック開催など、日本がイニシアチブを持たなくてはならない場面で、日本の「アイデンティティ」「世の中の印象」が揺さぶられていく。
ジェミニ
調和が取れた太陽
牡羊座0度の太陽の状態を見てきます。
火星・木星・土星・冥王星とは、セクスタイル。つまり調和が取れた状態。
世の中の不安定さに比べ、太陽はいたって平和な配置となっています。
「良いところ、悪いところ」を客観視できる余裕も見受けられます。
人々は、徐々にこの状況を冷静に受け止めていけるようになるでしょう。
この国はどうしたらよいのか?という課題に対して、ニュートラルな結論と行動を取ることができます。
月と金星のスクエアがもたらす、安心改革
月と金星は唯一お互いの「スクエア」のみがアスペクトです。
この1年は「楽しみごと」「衣食住」に関して、心地よくない状況となります。
不動宮でのスクエアとなりますので、状態としては硬直状態が続くのでしょう。
オリンピックもそうですが、「個人の楽しみ」「あたりまえのようにあった娯楽」などが制限されていく。
でも、それも「水瓶座の月」が仕方ないな・・というドライな感情として納得させていくのかもしれません。
9ハウスの太陽、7ハウスの月が指し示す、個人の心掛け
太陽は9ハウス、月は7ハウス。
どちらもホロスコープの上部分となります。
人々に求められるのは「広い視野」と「仲間」になります。
- 人と人とが手を取り合うこと。
- 人がもっと賢くなること。
- 世界的な視野で物事を捉えること
簡単に言えば
「もっと、ちゃんと、しっかり、考えよう」
「ひとりよがりな行動はやめよう」
ということです。
「世の中が発展するにはどうしたらよいか」
ということを考えた人から、この困難を「イチ抜けた!」ができるようになります。
ジェミニ
2020年春分から心がけること
さらに、激動の世の中となります。
トップの交代、トップの方針転換、フィールドの刷新。
など、今、自分がいる場所は確実に変わっていくと考えていくとよいでしょう。
その中で、崩れ落ちていく地盤に巻き込まれるのか、自分のフィールドを変えるのか。
もしくは、崩れても大丈夫なように、補強をしていくのか。
個人個人が「淘汰」されないよう、強い意志を持つことが必要です。
そのためには「大衆」をより意識し、世の中のためになることをしていく・・というパートナーシップが鍵となります。
これまでの価値観を見直し、生き方を変えていく。
中には変わらざるを得ない人もいるかもしれませんが、それらをたくましく乗り切る、「新しい考え(水瓶座の月)」がポイント。
ジェミニ